医師・看護師・メディカルスタッフが協働し、質の高い、安心・安全な医療を実現するためにチーム医療に力を注いでいます。
当院のNST・褥瘡対策部会は、平成16年10月に発足しました。看護師の「患者さんの褥瘡を治したい」との強い思いで、栄養療法を行ってきた歴史があります。関係各所、職種の枠を超え、知恵と労力を出し合い、活動を続けています。
病棟にはNSTリンクナースを配置しており、自病棟の低栄養の患者さんを抽出し、治療目標を主治医と共有しています。栄養状態の改善のため、患者さん一人一人に合った方策を検討し、実践できるよう介入しています。
褥瘡対策部会では、褥瘡の早期発見に努め、悪化を最小限にとどめるため、医師と共に隔週で病棟をラウンドしています。マットなどの除圧製品の選択や、適切な処置方法の指導など、創傷治癒促進のための介入を実践しています。
また、チームメンバーのスキルアップ研修や、リンクナースへの定例会の開催を行っています。最新の技術や知識など、常に新しい情報を提供し、チーム医療の一翼を担える看護師の育成に力を注いでいるところです。
日本経腸栄養学会へ参加、専門療法士の育成など、積極的に行っています。
摂食・嚥下・口腔ケア部会は、平成19年度に「口腔ケア部会」という名称で発足しました。その後、患者さんの口から喉にかけての環境を整え、安全に食べるための機能回復を支援するよう、「摂食・嚥下・口腔ケア部会」(以下SEK部会)と名称を変え活動しています。
摂食嚥下障害患者さんに対して、嚥下評価・リハビリ・口腔ケアをとおして、安全に食べるための機能が回復できるようにお手伝いしています。
嚥下評価・スクリーニングについては、耳鼻科医による内視鏡検査を中心に嚥下ラウンドや言語聴覚士・認定看護師に気軽に相談できる窓口を設け、迅速な対応ができるようにしています。嚥下評価によりリハビリが必要とされた人には、言語聴覚士・認定看護師・病棟看護師が指導とケアを行っています。
食べるために欠かせない口腔環境を整えるため、歯科口腔外科を中心に家族を含めた指導を行っています。最近では周手術期の口腔ケアにも力を入れています。
また、より食べやすい食事をめざし、標準化した嚥下食へ改訂し、提供しています。
各部署に嚥下キーパーソンを置き、年8回の研修会を開催しています。平成26年度からは院内認定制度も開始し「わかりやすく、楽しく、みんなでレベルアップ」を目指しています。
呼吸サポートチーム(RST)は、医師、理学療法士(呼吸療法認定士)、臨床工学士(呼吸療法認定士)、看護師(認定看護師、呼吸療法認定士)の多職種で構成されたメンバーで活動しています。
一般病棟で人工呼吸器装着中の患者さんに対して、安全な医療の提供ができる環境づくりに努めています。また、継続的な看護の提供を目標に様々な取り組みを行っています。
人工呼吸器装着中の患者さんをラウンドし、当該病棟の看護師とカンファレンスを行い、ケアの方法の改善などについて検討します。
一般病棟の看護師の専門的知識や実践力の向上のため、RSTリンクナースの育成と育成後のフォローアップ研修を行っています。
院内への広報活動として、機関紙「RSTニュース」を発刊し、呼吸ケアに関する情報をお知らせしています。
一般病棟での人工呼吸器装着中の患者さんに対して、安全で安心なケアを提供することと人工呼吸器を外せることを目標に、活動をパワーアップさせながらチームで頑張っています。
CAPTは、子育てに悩むご家族や、子どもたちの健やかな成長のための支援を話し合う委員会です。多部署の医師や看護師、メディカルソーシャルワーカー、臨床心理士、事務職員が集まって、様々な対策を検討しています。
人生の中で、妊娠から出産、育児を行う時期は、それまでの日常生活が大きく変わります。新しい家族を迎えると喜びとともに、漠然とした不安や悩みも膨らんでいき、誰にも相談できないまま子育てがうまくいかなくなってしまう・・・。このようなことは、誰にでも起こりうることです。
そんな時、この委員会は「手をさしのべてくれる誰か」となれるように活動しています。退院されて自宅に帰られてからも、地域において手助けしてくれる存在を見つけるお手伝いをしています。一人で悩まないで、そばにいる看護師や医師にご相談ください。
ICTは、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師など多職種で構成され、各々の専門性を発揮し、院内の医療関連感染低減のために活動しています。
ICTメンバーの中で、看護師は、感染管理全般の中心的役割を担い、感染対策の推進に努めています。サーベイランスを実施したり、定期的に院内ラウンドを実施し問題点の把握に努め、また、院内の感染症発生の動向を確認し、感染対策の改善・指導を行ったりしています。
また、各部署の感染リンクナースの育成や全職員を対象とした研修会の実施など、感染対策に関する教育・啓発活動も行っています。
せん妄対策部会は、医師・看護師・薬剤師・臨床心理士・理学療法士・作業療法士など多職種のチームで、せん妄の予防と早期改善を目指し活動しています。
部会では、「せん妄リンクナース研修会」を開催し、各部署でせん妄対策の中心的役割を担うリンクナースを養成しています。
リンクナースは、せん妄についての基本的知識を習得し、リスクの判断や予防的介入・せん妄が起きた場合のケアなどについて、スタッフ教育や他職種との調整役として活躍しています。
また、環境の変化によって起こりやすいと言われているせん妄の予防には、ご家族のご理解も必要です。私たちはご家族と協力して、効果的な療養環境を提供できるよう日々取り組んでいます。
「緩和ケア」は、心や体のつらさを和らげて、生活しやすくなるようにお手伝いします。心や体の症状だけでなく、仕事のこと、生活のこと、家族のことなど、病気になったことで生まれるすべての困りごとについて一緒に考えます。
「緩和ケア」は専門家だけではなく主治医や担当の看護師も行っていて、いつでもどこでも受けられる医療です。
緩和ケア部会(緩和ケアチーム)は、患者さんやご家族が落ち着いて過ごせる支援と医療者への研修会や病院内のシステム作りを行っています。
緩和ケアチームは、つらさや困りごとがなかなか解消されない時が出番です。医師、看護師、薬剤師、心理士、栄養士、ソーシャルワーカーが所属しており、それぞれが専門性を発揮して、あなたのつらさにお応えします。主治医や担当の看護師と協力しておりますので、ご安心下さい。
「緩和ケアチームに相談したい」と思われた時には、主治医、看護師、医療支援センターがん診療相談室のスタッフにご相談下さい。
平成24年医療安全対策委員会の部会として「転倒・転落予防対策部会」が設置されました。委員は医師(整形外科医、神経内科医、精神科医、小児科医)、薬剤師、看護師、リハビリテーション科、臨床工学技士、臨床検査技師、事務、医療安全対策室、と多職種で構成されています。
活動内容は1回/月の部会開催、ラウンド、転倒・転落予防の啓蒙活動です。具体例として、院内ラウンドで病棟、外来、検査室などの環境面から転倒・転落の要因となる問題点を洗い出し、改善を行ってきました。施設面では、ナースコールの増設、床の段差をなくす工事、自動ドアの改修などを行っています。
また転倒・転落防止は、医療者だけでなく、患者さん・ご家族の方々と協同して取り組むことが大切です。患者さん・ご家族に対し、具体的な転倒防止対策を継続して分かりやすく説明するとともに、「転ぶはずはないと思っているあなたへ」転倒予防TVの視聴を呼びかけ、転倒予防に関するポスターの掲示を行うなどの啓蒙活動も行っています。
今後も転倒・転落をおこす患者さんが、一人でも少なくなるよう、取り組んでいきたいと思います。