パートナーシップ・ナーシング・システム®(PNS)とは
2人の看護師が安全で質の高い看護を共に提供することを目的に、良きパートナーとして対等な立場で互いの特性を活かし、相互に補完し協力し合って、毎日の看護ケアをはじめ委員会活動・病棟内の係の仕事に至るまで 1 年を通じて活動し、その成果と責任を共有する看護体制です。
当院は、2018 年から PNS を全部署に導入しています。
これまでの看護体制との違い
従来の看護方式は看護師が複数の患者の入院から退院までを担当する、いわば自己完結型のものでした。PNS は 2 人の看護師で複数の患者を受け持つのが大きな特徴です。PNS は、看護師だけでなく、患者にとっても療養環境の改善がはかれ、パートナー同士で業務を補完し合うことで、より質の高い看護を提供できるのが大きなメリットといわれています。
PNS による患者さんのメリット
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担当が 2 人に増えることで安心感が高まる
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医師の指示や投薬時の薬剤確認などを 2 人で行うため、誤薬・誤投与などのリスクが減少し、安全性が高まる
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急変対応時など、応援が必要な処置なども迅速に行うことができる
PNS による看護師のメリット
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パートナー同士が互いの技術や知識を補完することができる
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経験が浅く、慣れないケア、処置などを行う場合、パートナーに相談することができる
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看護の効率化を図ることができ、休暇がとれたり、超過勤務が減少する
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患者からの情報を共有することで得られる情報が増え、看護の質が高まる
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看護計画、看護の成果、達成感をパートナー同士で共有することでモチベーション向上が期待できる
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新人看護師も先輩看護師と一緒に患者を担当することができ、OJTの質が向上する
当院では、PNS 開発者であり福井大学医学部付属病院前統括看護師長・PNS担当看護師長を勤められ、現 PNS 研究会理事である上山佳代子先生に、PNS導入時から現在も継続して指導を受けています。
PNS 実際の看護場面
二人で情報を確認し合って、検査やケア、患者さんの病態を確認し、本日のスケジュールを立てます。
検温やケアも二人で協働するので、お互いの技術や知識の補完ができ、慣れない処置も二人で相談できます。
重症患者さんも二人の目で確認・相談しながら看護するので、安心・安全な看護が提供できます。
新人看護師も先輩と組むことで、早期から重症患者さんの看護 を実践することができ、実践能力の向上に役立ちます。
医師からの指示や薬剤も二人の目で確認します。
師長とリーダーは、パートナーとなり患者さんの病床や緊急入院の受け入れなどの調整をします。
患者さんの部屋を一緒にラウンドし 情報共有します。
午後からリシャッフルを行い、残った業務を部署全体で補完し合って、定時終業を目指します。
リーダーが全体の残務を確認し、チームを再編成します。
再編成されたチームメンバーが集まってお互いに協力して午後からの計画を立てます。
ケアも二人で協力して行います。
機械浴や清拭も二人で実施すれ ば、安全に素早く出来ます。
介助業務員(ケアワーカー)と看護師でペアになり、ケアを行います。
業務時間終了後は、夜勤者や遅出勤務者に任せて帰宅します。
監査も行い、PNS が正しく行われているかチェックしています。
PNSでみんなの笑顔がいっぱい